2003/5/16、ユーザー車検にてフォアの車検を取得してきました。ここではそのリポートを書きたいと思います。


T)諸経費


 誰でも一度は考えたことがあると思いますが、ユーザー車検の一番のメリットはその値段(費用)の安さではないでしょうか。通常、オートバイ屋さんで頼むと安くても6万ぐらいでお店によっては8万近く掛かってしまいます。私の例を元に金額を考えて見ましょう。

@、どのような方法でも最低限掛かるもの。

重量税 5,000円
検査手数料 1,400円
自賠責保険 *18,440円
各種書類代 30円
合計 24,870円
 *私の場合は検切れ状態だったので25ヶ月の自賠責に入ったので18,970円でした。

お分かりのようにこれでとりあえず車検を取得することが可能です。もちろん、+αで整備にかかる費用もあるでしょうからもう少し増えると思います。最低限の金額と考えてください。この金額はオートバイ屋でお願いしても絶対必要になります。

A、今回私が使ったお金。

 今回の車検では検切れだった為、上記金額以外に仮ナンバー代(750円)。書類の作成が面倒だったので代書屋の利用代(1,100円・・・・上記書類代30円を含む)です。合計は27,220円です。+αの部分ですが、私の場合の交換等しないと車検が受からないと思われる部分はリヤタイヤで、これが8,000円ほどでした。

B、今回のお得金額。
 某ショップの車検金額を見ると、基本料金が65,000円。( ←ここから増えていくんだよね、お店に頼むと。)構造変更だと+8,000円との事です。(このことも理解不能です。後で詳しく書きますが、構造変更でも検査手数料は1,400円のままですし、測量所で計ってもらうだけで、継続車検より15分ほど時間が掛かるだけの簡単作業です。何で8,000円も取るんでしょうか?)この二つの合計で73,000円。上記金額から計算すると45,780円のお得といえます。タイヤ代はどうしても換えなくてはならない部分でしたので必用経費と考えられますので計算からは除外して考えます。

C、まとめ
 何も言うことはありません。みなさん、自分でやりましょう。


U)ユーザー車検の流れ


 ユーザー車検を実施するには次のような過程があります。

◎オートバイの整備
 12ヶ月点検を実施します。以前の車検は定期点検をしてからじゃないと受けることは出来ませんでしたが、現在は車検後でもいいことになっています。ただし、自分でするわけですからこの機会にやっておくことをお勧めします。もし問題があっても点検を行うことにより発見が出来、車検が不合格になることの防止になります。最初に書きましたが、定期点検が車検後でもいいことになったわけですから、裏を返せば、やってもやらなくてもわからないしかまわないということになります。車検自体に受かることは今回の受験でも思いましたが、非常に簡単です。ただ、その後も自分の乗るオートバイなのですからきちんと整備をするいい機会です。前もって済ましましょう。
◎車検の予約
 車検を受けるには予約が必要です。当日、突然会場に行っても受けることは出来ません。予約をしましょう。今はほとんどの車検場がテレフォンサービスによって24時間体制で予約を受け付けています。オートバイの場合は、天気予報なんかを見ながら受験日を決めるといいんじゃないでしょうか。
◎ユーザー車検実施
 これは下で詳しく書きます。
◎終了
 合格したら、新しい車検証と検査標章を受け取り、検査標章をナンバーに張って終わりです。


V)実際の検査


検査当日の流れを私の場合を元に紹介します。

@、受付
 当然のことですが、当日予約をした時間に車検場へ行きましたら受付をします。私は初めてということもあり代書屋を利用しました。理由は、車両の検査に集中したかったことと、今回はハンドル交換による構造変更での車検で、通常の継続検査ではなかったことです。
 実際に代書屋さんに行って、今日車検を受けることと構造変更検査であることを告げると、「何番窓口でこの金額の印紙を購入してきてください」とメモ紙を渡されます。言われたとおり、その窓口に行って印紙を購入し代書屋さんに戻り、車検証等を渡せば5分もしないうちに書類を書き上げてくれます。この時に、受付は何番窓口へ行けばいいのか教えてくれます。また、構造変更の為、車幅等を検査を受けたあとに書き直すのでもう一度来てくださいといわれました。
 言われた窓口へ行き、書き上げてもらった書類と車検証等を提出すると、予約した時の番号を聞かれますので、すぐに答えられるようにしておきましょう。ここで不備がなければ検査となります。この時、構造変更の理由(ハンドル交換)を聞かれました。

A、検査
 私が受けた愛知陸運支局は、オートバイも含めて7つのラインがあります。オートバイは7番ラインとなります。朝一番ということと代書屋さんで書類を作成してもらったこともあり、スムーズに事が運びすぎてしまい、そのままラインに行くといきなり一番で検査を受けることになりそうだったので、他のオートバイがならぶまでコーヒーを飲みながら少し待ちました。
 暫くすると、BMWとCB400SFがラインの入り口にならんでました。午前9時になると1から6の車用のラインの信号が赤から青に変わり一斉に検査が始まります。しかし、7番ラインだけがいつまで待っても赤のままです。2台もその場で待っていました。すると奥のほうに試験官らしい人が顔を出して2台を呼んでいます。どうやら、7番ラインはオートバイだけの専用ラインではなく、何かは知りませんが手前のほうにその為の検査器具があるようで、入口ではなく奥のほうにいなくてはいけなかったみたいです。どうやら、検査も始まったようなので見学がてら3番目にならびます。
 私が行くとBMWが検査機械に入って、スピードメーターの検査を受けるところでした。じっくりと観察させてもらうと、どうやらこの検査場では、試験官が最初から最後まで横に立っていてくれて、親切丁寧に受け方を教えてくれるようです。ちょっと安心しました。このBMWは残念ながら光軸検査でXがでて不合格となっていました。私自身、唯一心配なのが光軸です。前の晩に近くのお墓に行って墓石を照らしながら適当にあわせてはきましたが、こればっかりは指標がないのでどうにも不安です。次にSFの番です。ここはBMWで見れなかった、機械に入る前の部分をじっくり観察します。要は車検証とオートバイが正しいかどうかの外観検査を行い、ライトやホーンウィンカーといった保安部品が正常か、オイル漏れなどがないかを調べるようです。SFもBMW同様に光軸でXがでて不合格となってしまいました。この時点で、私も光軸は受かる気がしなくなり、後ろに何台並んでいるか数えてみると、もう10台ほどがならんでいて、不合格になるともう一度結構な時間ならばなくてはならなくなりそうでした。
 いよいよ私の番です。車両を少し前に進めて書類を試験官に渡します。すると、「ユーザー車検は初めてですか?」と尋ねられたので「はい、初めてです。」と答えます。すると無言のままハンマーのような物でフォアーを叩きながら何か調べています。先にも書いたように光軸以外に引っかかることはないだろうと思っていましたのでボーっとしていると、試験官が話しかけてきます。やばい何か問題があったんだろうか?不安がよぎります。一瞬パニックで内容がよくわかりません。冷静になってよく聞いてみると、ドライブスプロケを止めているボルトがセルフナットになっていないとの事。ここは緩みやすい場所なので普通のボルトが使われることはないとの事。買ったときからそのボルトが使われていて一度もさわってなかったので全く気がつきませんでした。「それでは受からないのですか?」と聞くと、「いいえ、そんなことはないですが気をつけてくださいね。」と。「はい」と答えながら、「びっくりするじゃねーか、このやろー。カンケーネーなら黙ってろよ!」と思いながらニコニコしてました。
 次に、「それでは私の言うとおりにライトやウィンカーをつけてください。」「ライト」「ロー」「ハイ」「右前ウィンカー」・・・・・・・・・etc。早すぎます。全然言葉についていけません。適当にライトやウィンカーなどをつけたりしたら「ハイ結構です。」とのこと。何か適当です。
 外観テストが終わると次は機械による検査です。
 最初はスピードメーターテストです。外観検査をした場所から2mほど前にローターがありますのでそこにフロントタイヤを乗せます。(メーター検出が後輪なら後輪を乗せます。横には先程書いたように試験官がいてくれて、やり方を丁寧に教えてくれます。指示を聞きながら左足元にあるスイッチを踏んだり離したりしていると、ローターが回りだします。ここでは踏んだままにしておきます。メーターをよく見て時速40kmのところでスイッチを離します。正面の電光掲示板に「スピードメーターテスト○」と表示されます。OKのようです。
 この場合不合格だったときは何をどうして直せばいいんでしょうか?新品のメーターはもう手に入らないし、調整するにしても何をどうしたらいいのか知りません。今、冷静に考えるとちょっと怖いですね。
 話が前後しますが、機械での検査中は正面の電光掲示板の指示に従って検査が実行されます。合否もその場で○・Xで表示されます。
 次はブレーキテストです。メーター検査が終わった状態のままで検査はスタートします。ローターが回りだし、電光掲示板に「前輪ブレーキをかける」と表示されたらブレーキをおもいっきりかけます。当然、○が表示されます。この時に試験官の指示で後輪のブレーキも同時に操作をしました。理由は全くわかりません。何でなんでしょう?
 今度はリヤブレーキです。バイクを少し前に進め、今まで前輪が乗っていたローターに後輪を乗せます。フロント同様に指示が出たときにブレーキをかけます。こちらも当然○です。
 この前後のブレーキテストはまず落ちることはないでしょう。指示がでてからぼーっとしていて、ブレーキ操作をすることを忘れなければ問題はないはずです。言っておきますが、我がCBのフロントブレーキは私の整備不足もあるでしょうが恐ろしい程効きません。それでも合格です。
 最後が今回最も心配していた光軸検査です。後輪のブレーキ検査よりもさらに1mほど前に進むと白線が引いてあります。そのラインとライトのラインが合うようにバイクを止めます。決してタイヤのラインではないので気をつけて下さい。くどいようですが、この車検場では試験官が横で見ていてくれますから前に出すぎたり後ろ過ぎることはないです。停止線に止まると検査が始まります。エンジンをかけてライトをハイにします。すると、横から検査マシーンが右からやってきて、少し通り過ぎてから若干戻りセンター出しをします。センターが決まると今度は上下に動き高さを調べます。その間はじっと待ちます。体を動かすと光軸が動いてしまうのでじっとしています。仮に不合格になって調整してからもう一度受けても姿勢が変わると光軸変わってしまう可能性があるからです。結果はなんと○。受かってしまいました。本日最初の合格者となってしまいました。絶対に受からないと思っていましたのでこれには本当に驚きました。(ちなみに私の調整方法ですが、壁に向かって5m離れた場所から、ローで下から50cmのところを照らすように調整しました。)検査記録紙を試験官がタイムカードのような機械に差し込んで結果を記録します。それを受け取ったら終わりです。最新のオートバイなら排ガス検査もありますが、30年近い古いオートバイにそんな物はありません。
 これで通常の検査は終了です。普通の継続検査ならこれで新しい車検証を受け取るだけですが、今回は構造変更の為、その検査に移ります。


W)構造変更


 通常の検査が終了したら次は構造変更です。
 構造変更の検査を受ける場所はオートバイのラインのすぐ横に2本あります。上記検査終了時に検査員から隣のどちらでもいいのでならんで測量をするように言われました。実際に行ってみると車が数台検査を受けていました。とりあえず、すいている方にならんで1,2分待ちます。前の車が終了すると、中から検査員が呼びますのでそのまま押して入っていきます。
 「ハンドルの交換か何かされました?」「はい、ハンドルの交換です。」上記検査の結果をみながら「他には何も悪いとこないみたいだね。じゃー、オートバイ少し前に持っていってそこに前のタイヤだけのして。」・・・・・・
 そんな会話があり少し前を見ると、大きな鉄板があり(っていうか床)、そこにフロントタイヤを載せます。ハンドル交換による車幅の測量だけだと思っていましたので、一体何をするの???って感じで意味不明でした。そこに一言、「自分は乗っちゃだめだよ。倒れないように軽く支えていて」。なるほど、車重の測定ですね。フロントの測定が終わると今度は全部を載せての測定です。遠くから「あれぇー」と声が聞こえます。「何?」不安になる一言です。「そのオートバイってタンク何リットル?」突然の質問です。「えーっと、14リットルです。」自信はありませんでしたが、仕事柄、適当でもすぐに答える癖がついてしまっています(家に帰ってから調べたらあってました)。「ふーん」。本当に嫌な受け答えです。「何か問題があるなら言えよ。」心の中で叫びます。
 その後は、検査員と一緒にメジャーで車体を計って終了です。検査表を見ると所々が赤字で訂正されています。その時にそれまでの嫌な受け答えの意味がわかりました。前前軸重で-7kg(80kg)、後後軸重で-6kg(90kg)、車両重量が-13kg(170kg)に訂正されています。ハンドル交換のみでは考えられない軽量化です。考えられるのはマフラーの交換でしょうか?はっきりしたことは分かりませんが、約8%ほどの軽量化が達成したわけです。ちょっとしたパワーアップよりもよっぽど効果がありますね。


X)新車検証


 構造変更の検査が終わった段階で、もう一度代書屋さんへ行きます。暫く待っていると書類を記入してくれます。この時に代書代1,100円が取られました。この時に書類を持っていく窓口を教えてくれます。
 教えてもらった窓口に書類を提出して待つこと5分。名前を呼ばれて新しい車検証とナンバーに貼る検査標章を受け取ります。この時に重量税の5,000円の印紙と交換になります。
 ナンバーに新しい検査標章を貼り付けたら全て終了です。これで天下の公道を走ることが出来ます。


Y)まとめ


 私の個人的な感想を書きますが、とっても簡単です。特に今回は書類を代書屋で書いてもらうことにより、面倒なことは何一つありませんでした。正味かかった時間は1時間程度ですから、自給45,780円と考えれば2度とお店に頼む気がしませんね。
inserted by FC2 system